ソウルオリンピック出場をかけたジャマイカの陸上代表選手を決める大会に出場した選手たち。主人公をはじめとするオリンピック有力選手たちが走っていた最中、隣のレーンを走っていた選手の転倒によって同時に走っていた4人が転倒に巻き込まれ、オリンピック出場を逃してしまいます。
主人公はレースのやり直しを求めるも受け入れられることはなく失意に沈んでいたとき、ふと首に金メダルをかけて写真に写っている父親の姿が目に留まったのでした。
どうしてもオリンピックに出場したいという思いに駆られていた主人公は、かつて父親が金メダルを獲得した競技「ボブスレー」で冬季オリンピック出場を目指すことになります。
かつてはアメリカの有力なボブスレー選手だったものの今ではジャマイカの酒場で飲んだくれてまるまると太ってしまったアービングにコーチをお願いし、陸上の選考会で同じレースを走っていたメンバーを集めて即席のボブスレーチームを作った主人公は、冬季オリンピックへ向けて始動することになります。
しかし脚力はあっても雪さえ見たことのないメンバーたちはボブスレーの実力については全くの素人同然で、初めはバラバラだったメンバーですが逆境に立ち向かうことで結束を深め、ボブスレーに大切なチームワークを身につけていきます。
オリンピック本戦では強豪チームの実力を見せつけられたことで自分たちのスタイルを見失いかけてしまうものの、相手に影響されるのではなく自分たちのアイデンティティで戦うことを決意し、ジャマイカの陽気なスタイルを取り戻します。
最後の走りでは今までで最高のスタートを決めてレースが展開されますが、彼らの乗ったソリがレースの途中で壊れてしまうというアクシデントに見舞われ、激しく転倒してしまいます。それでも彼らはレースをあきらめることはなく、壊れたソリを担いでゴールへと歩き始めるのでした。
感想、レビュー
冬季オリンピックを舞台にした作品ですが、映画の最初から最後まで終始ジャマイカの陽気な気質が作品に反映されており、それが映画全体に良い影響を与えているように思えました。ストーリーは弱小チームが猛練習をして実力をつけていき、大会優勝を目指すというスポ根ものの王道のようなストーリーですが、ジャマイカのチームが冬季オリンピックを目指すという設定や楽しげな雰囲気が伝わってきて誰もが楽しめる作品に仕上がっています。
ベタなストーリーにもかかわらずなぜか感動してしまうのは、国同士の戦いであるオリンピックであるということも重要な要素で、ジャマイカの陽気な国民性が自信を無くしていた選手たちの進むべき道を照らすきっかけになっているというのも、同じ島国である日本人が共感できてしまう部分なのかなとも思います。特に映画のラストに向かう、自分たちの走りを取り戻してから最後のレースまでのシーンは、本作における大きな見どころです。／ユージ
監督：ジョン・タートルトーブ
公開日：アメリカ 1993年10月1日、日本 1994年2月19日
キャスト：リオン、ダグ・E・ダグ、ジョン・キャンディ
