まず、この映画は完全に続き物の話になっているので、前作を知らない人は見るべきではないです。また、若干グロテスクなシーンもあるのでそういったものに耐性のない人も見ないほうがいいかもしれません。しかし前作の映画を楽しめた人なら、今作も楽しく見ることができるでしょう。デッドプールとは、アイアンマンでお馴染みのMARVELコミック出身のキャラクターで、普通のヒーローとは大きく異なったキャラクターでもあります。
彼はいわゆる「第三の壁」を認識しているキャラクターであるため、コミックでも映画でも視聴者に話しかけてきたり、演出に文句を言ったりします。そのため他のキャラクターからは、頭のおかしい奴だと思われており、実際にも平気で殺人を犯したり、再生するとはいえ自分の体を顧みない行動をしたりとヤバイ奴であることは間違いないです。
そんなヤバい奴が主人公ではまずいと思われたのか、映画一作目では多少マイルドな性格になっていました。特に恋人のために戦うシーンは、まるで普通のヒーローのようでした。さて本題のデッドプール2では、そんな大事な恋人を殺されてしまうところから始まります。自暴自棄になった彼は自殺を試みたり、心を入れ替えてX-MENの見習いとして働いてみたりする中、生まれ持った超能力のせいで虐待されている少年と出会います。
夢の中での恋人の導きもあり、少年を助けようとするのですが、なぜか少年を殺そうとする機械の腕の男、ケーブルに度々襲撃されることになります。デッドプールは少年を助けるため、またケーブルを撃退するため、仲間を募って新たなチームを作ります。その名も、「X-フォース」!
…と、あらすじだけ書き出すとまるで普通のヒーロー物のようですが、シリアスなシーンにも平気で挟まれる下品なジョークや洋画ネタなど、笑いどころに事欠かない作品に仕上がっていますので、前作の映画を見た方は安心していただきたい。
とにかく随所に挟まれる下ネタギャグや洋画のパロディネタ、原作コミックのネタなど、退屈するシーンがほとんどありません。私は洋画ネタには詳しくないので、意味のわからない部分はありましたが、それでも笑えるシーンばかりで、劇場内でも度々笑い声が上がっていました。
その上アクションシーンは素直にかっこいいできになっていて、ケーブルとの刀あり銃あり未来の秘密兵器ありのぶつかり合いはまさに手に汗握る攻防でした。しかしギャグを挟むことは忘れない。
また、前作を「ラブストーリー」と標榜していたように、本作は「ファミリー映画」だと主張し、視聴者に「そんなわけねーだろ」と思わせてからの、ラストシーンでの伏線回収は見事なものでした。確かに「家族の映画」だったわ。普通じゃないけど。一番笑えたのは最後の最後のシーンかもしれません。予備知識として、映画「グリーンランタン」、「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」について知っておくといいかもしれません。
ただ一点だけ、デッドプールの性格は原作コミックのイメージほど「ヤバい奴」ではないので、そういうのを期待していると若干肩透かしを食うかもしれません。/JINO
監督:デヴィッド・リーチ
公開日:アメリカ 2018年5月18日、日本 2018年6月1日
キャスト:ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン、モリーナ・バッカリン、ジュリアン・デニソン(英語版)、ザジー・ビーツ(英語版)、T・J・ミラー、ブリアナ・ヒルデブランド、ジャック・ケシー(英語版)